港区女子とは呼ばせない。

港区に住む私の恋愛事情。「真の港区女子」の日々を描くブログです。

誠実そうな男性、弄ばれる女性

男女関係の世界においては、

裏切りというのが蔓延っている。

 

女性は男性に振り回され、騙され。

男性は女性に弄ばれ、散財したり。

 

それでも不思議と私達のような女性は、

一度付き合った恋人には、

全幅の信頼を寄せたいと思ってしまう。

 

 

私達は、歴史や経験から学べない

バカなのだろうか?

 

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大学1年の時、

外見を含め性的な魅力が無い男性とは

お付き合いなど不可能だと学んだ。

 

痛い経験を経て、

自分が性的魅力を感じ、

そして会話していても楽しい男性はいないかと

周りを見渡してみた。

 

退屈な大学の講義を聴きながら、

教室を端から端まで見てみたが、

なかなかパッとしない。

 

少し離れた所にいる体育会の彼は

見た目は好みだが話ていて楽しくない。

 

前の方に座っている彼は、

考え方や話は面白いのだが

1ミリも性的魅力を感じない。

 

 

 

こうして、特に大きいニュースもなく、

ダラダラとした日々を過ごしていった。

 

元々刺激を求めてしまう性格上、

こんな毎日には耐えられなかった。

 

 

 

そうこうしているうちに、

9月に20歳の誕生日を迎えた。

 

20歳になればもう成人。

でもなぜか、

一歩も成長していないように感じた。

 

 

 

刺激もない、成長もない。

こんなのは私にとって完全NGな状況。

 

焦った私は、前から憧れていたLAへ

大学2年の春休みに短期留学へ行くと決めた。

 

 

 

せっせと準備を進めるうちに、

人生に一度しかないとっておきのイベント、

成人式の時期になった。

 

綺麗な紫の振袖に身を包み、

目黒区の成人式会場へ。

 

 

 

会場で、小学生の時からの親友である

百合子と落ち合った。

 

百合子は小学生の時からとても美しい。

背丈がすらっと高く、小顔で、

笑顔が素敵な女性になった。

 

 

 

式典が終わり、二人で外へ出ると、

もう8年も会っていなかった

小学校の同級生達に出くわした。

 

懐かしさで気分が高揚し、

全員で集まって写真を撮ったりしていると、

夜に同級生で集まりパーティをする事に。

 

 

 

久々のメンバーと会うのは、

女性にとってとびきりのおめかしをする口実。

 

一度自宅へ戻り、振袖から

ブラックのカクテルドレスへ着替えた。

 

身なりをキメて、気合いを入れて会場へ。

 

 

 

 

会場に着くと、古い顔が揃っていた。

皆んな大人っぽくなり、

男女ともに昔はなかった色気が出ていた。

 

 

 

数々の懐かしい顔に、

"梨里、凄い綺麗になったね!!"

と声をかけられる。

 

美人の百合子と一緒に居るからか、

妙に周囲の注目を集めていた。

 

 

 

これだけでも、

キメてきた甲斐があるというもの。

自尊心が満たされて、大満足だった。

 

少し酔い、いい気分になったので

少し会場の外にある庭に出てみた。

 

 

 

 すると、スタンディングテーブルの隣に

どストライクなタイプへと進化した

同級生の佑介の姿があった。

 

酔いのせいか彼の魅力のせいか、

自然と足が彼の方向へ。

 

 

 

頭が火照ってしまい

何を話したのかは思い出せないが、

彼の色気のある姿が記憶に残った。

 

 

 

 

3ヵ月程経った時、

急にFacebookで彼からの連絡が入った。

 

「久しぶり!最近忙しい?

今週金曜日の夜空いてたりしないかな。」

 

この言葉に対して、

私の頭はブンブンと回転し始めた。

 

 

 

そもそもどういう意図での質問か?

急な連絡だし、デートの誘いではないだろう。

安易にOKするのは危険かもしれない。

 

「まあまあ忙しい、金曜日は厳しいな、、

どうして~?」

結局着地したのはこの返信内容。

 

 

 

ラグビー部の新歓があるからさw」

 

私の勘はどうも正しかった。

あっさり空いているなんて答えたら、

ただの飾りの女の子になっていた。

 

対して私は、

「そうなんだ、ラグビー頑張って!」

とさらりとやり過ごした。

 

 

 

これで終わるかと思いきや、佑介から

「この前は全然話せなかったなー」

との返事が。

 

なぜかどきりとした。

「ほんとだね、佑介成長しててびっくりだよ」

とっさに私は、こう返していた。

 

 

 

「お前も綺麗になったよなー」

とすぐに返ってきた。

 

 

脳味噌爆発の瞬間である。

 

 

頭脳停止。

何が起きたのか理解できない。

 

 

 

既読を付けてしまったから何か返信しなければ。

「急に言われたら照れちゃうよ、

佑介もな背が伸びたよね!」

 

 

「ありがと、今度お前の作ったご飯食べてみたいわー」

と佑介から。

 

 

佑介は宇宙人なのだろうか?

何を言ってるんだ?

 

 

よく理解できないままなぜか防衛本能が働き、

「だねー、みんなでご飯行きたいねー」

とお門違いな回答をしてしまった。

 

 

 

「お前、警戒してんだろw」

 

 

 

まさかの図星である。

 

あたふたしている間に、

さらりと二人で食事に行く約束が取りつけられていた。

 

 

 

後日、青山で待ち合わせることに。

彼がお店の予約をしてくれていた。

 

彼に誘導されるがままにお店の入口に辿り着くと、

落ち着いた雰囲気の和食屋さんだった。

随分と粋な選択に、感銘を受けた。

 

 

 

彼のしぐさや趣味の良さに、

脳がノックアウトされてしまった。

 

 

 

 

この日は食事が終わり、

各々の帰路についた。

 

 

 

その後、三回目のデートの時、

私は彼に、私の作った食事を食べたいと言われ

かなり驚いたと告白した。

 

「だって本当にそう思ったから」

 

こんな風に言われたら、

作ってあげたくなってしまう。

 

 

 

そして、彼が私の家に来ることに。

私はできる限り美味しいものをふるまった。

 

その晩の食事は、

お互いが将来どうしていきたいかや、

自分達の友人などについて楽しく話した。

 

 

 

今までで最も楽しいデートになった。

 

 

 

しかしまだ彼に対する警戒心が残っていた。

なので、その晩は何も起こらず

別々に寝ることに。

 

なぜか、いつもより心地よく眠った。

 

 

 

 

朝のアラームが鳴り、

私は朝食の支度を始めた。

 

少しすると佑介も起きてきて、

リラックスしながら朝食をとった。

 

 

 

「あっそういえば。」

 

そう言って佑介が、

おもむろにポケットから

ネックレスを取り出した。

 

 

 

「食事作ってくれたし、もうすぐホワイトデーだし。

ちょっと待ってて、つけてあげるから。」

 

そう言って彼が私の後ろに回り込んだ。

そして丁寧にネックレスをつけてくれた。

 

 

 

このネックレスが、

4℃のような可愛いらしいものではなく、

私好みのカジュアルでスタイリッシュなものだった。

 

 

 

こんなに幸せな事があり得るだろうか?

体がすーっと浮いて心地良いような感覚になった。

 

 

 

できる限りのお礼を言った後、

使い終わった食器を片付けようとした。

 

あろうことか、佑介が

「俺が片付けるよ、大丈夫」

と言ってきた。

 

 

 

ここまで素晴らしい男性が世の中に居たとは。

成人式のパーティへ誘ってくれた神様に感謝だ。

 

 

 

帰り際、今度は彼が

「そういえば、LAに俺のお母さんの親友が居て。

多分梨里が居る時にお母さんも行くと思う。

会ってきなよ。」

 

また私には理解不能な事を言い始めた。

しかし嬉しい話でもあった。

 

少なくとも、どうやら私は本命なようだ。

 

 

 

こうして、LA出発前の

幸せな日本でのデートが終了した。

 

 

 

 

 

2月でもノースリーブでOKなLAに到着し、

私は思う存分南国気分を味わった。

 

留学先の学校でも様々な国からの友人ができ、

初めての寮生活も満喫した。

 

週末は友人とサンタモニカで遊び、

充実した毎日。

 

 

 

よく日本人はモテるというが、

まあ多くの人にデートへ誘われた。

 

それでも私は、

日本にとても良い彼氏がいるから、

と言って断っていた。

 

 

 

数週間後、いよいよ彼のお母さんと

彼女の親友に会う日になった。

 

その日のディナーは、

私の寮からそう離れていないレストラン。

 

 

 

歩いていくと、

既に彼女たちは到着していた。

 

まあとても綺麗でお洒落な方々だった。

話も面白く、素敵な方々。

 

 

 

少しお酒が入ってくると、彼のお母さんが

「佑介が彼女紹介してくるなんて初めてよ~、

いい子でよかったわ!!」

 

内心色々な意味で舞い上がってしまった。

 

 

 

彼女たちに日本食が恋しいと打ち明けると、

近くの日本人街にあるNijiyaというスーパーへ

送って行ってくれた。

 

この日、私の佑介に対する思いは

さらに強くなった。

 

 

 

 

楽しい時間は早く過ぎ、

帰国する日になった。

 

 

 

早速佑介へ、あと数時間で日本に到着すると伝えた。

 

数時間後、

「じゃあ帰国パーティだね」

と返信が来た。

 

彼に会うのを楽しみにしていた私は、

「ありがとう、いつにしようか?」

とすぐに返信をした。

 

 

 

...返信が来ない。

1日経ち、まだ返信が来ない。

 

 

 

嫌な予感がした。

信じ難かった。

信じたくもなかった。

 

 

 

 

1週間経っても返事がないので、

「忙しいの?」と連絡を入れた。

 

次の日の朝、大学の授業の直前で

待ちに待った彼からの返事が来た。

 

 

 

"梨里がいない間、寂しいと思わなかったんだ。

変に長く続けるより、もう今別れよう。"

 

 

 

私の胸を鋭く引き裂く言葉。

心を一突きし、棘を残していった。

 

 

 

感情が安定した性格の私が、

目をむくほど取り乱していた。

 

授業など受けていられる精神状態では無い。

 

 

 

教室から駆け出し、

友人のいるであろう場所へ

逃げるように駆け込んだ。

 

そこに、見慣れた顔の

気の置けない友人達がいた。

 

 

 

自分にこんな友人がいることを

ここまで嬉しく思ったことはない。

 

安堵感と悲しさで

小学生以来で初めて

人前で涙を流した。

 

 

 

 

結局、私が全幅の信頼を寄せるべきは

真の友人なんだという事を学んだ。

 

でも、佑介からもらったネックレスは

数年経った今でも捨てられない。