港区女子とは呼ばせない。

港区に住む私の恋愛事情。「真の港区女子」の日々を描くブログです。

失われた純粋な心、生まれた上昇志向

世間には、純真無垢な恋愛を描く物語が多い。

決まって、女性側はとてもピュアな性格で

お相手の男性を一途に思い続ける。

 

そしてまあ、結末には結婚か死別か。

そんなところ。

いずれもハッピーエンドが主流だ。

 

でも、本当に純粋であれば

こんな幸せな恋愛ができるのだろうか?

 

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私の中高は、都内のあまり偏差値が高くない女子高。

 

女子高では、ときめく恋愛相手を見つけるため、

皆せっせと名の通った男子校の文化祭へ足を運ぶ。

 

 

中学3年の11月私は、

顔良し、背丈良し、頭脳良しで将来有望な

理想の相手を探しに某高校の文化祭に訪れた。

 

大抵文化祭にはナンパエリアがあるのだが、

恋愛経験無しの私には少々ハードルが高かった。

 

 

ドギマギしながら、理想の彼氏を探すため

友人とお化け屋敷を催している教室へ。

このお化け屋敷が、思いのほか相当怖い。

 

やっとのことで迷路状になっている通路を抜けると

頑張った事への神様からのご褒美か、

お化け屋敷の制作に携わった男子達がお出迎え。

 

 

「楽しかった?ところで、ライン教えてよ。」

ベタな決まり文句でも、ピュアな女子には効果てきめん。

ちゃっかり連絡先を教え、連絡を待つ。

 

「この前は来てくれてありがとう。ご飯にいこうよ、いつが空いてる?」

期待通りのデートの誘い。

早速予定調整の返信をして、渋谷で会うことに。

 

 

 

文化祭の時には、お化け屋敷で脳が興奮していたこと、

そして初めて男子から連絡先を聞かれて舞い上がっていたことで、

相手の顔と姿をまともに認識していなかった。

 

渋谷の安いパスタ屋で会ってみると、

身長は低め、顔もまあまあ。

総合的に見て、容姿は正直私の方がレベルが上かな?という感じ。

 

 

とはいえ、人生初のデート。

相手を尊重し、興味を持って色々話を聞いてみた。

 

話してみるとなかなかに頭が良く、

相手は高校3年で、東大を目指しているとのこと。

素晴らしい将来性だと感じた。

 

見た目で相手を判断するのは良くない、

彼の中身を尊重して、東大合格の応援をしよう!

そう心に決めた。

 

 

 

その日からほぼ毎日、彼の勉強の報告をラインで受け、

それに対して様々な応援の言葉をかけていた。

 

そうしていれば、

彼からの好意をキープし、さらに彼の東大合格も実現すると思っていたから。

 

 

 

年が明け、センター試験の時期になった。

センター試験の結果が発表され、

彼からはほぼ全て満点に近い点数を取ったとの報告があった。

 

すべて順調だ。

私の健気な応援も効いたのかもしれない。

なぜか、自分の事のようにうれしかった。

 

彼が受験で忙しいのでしばらく会っておらず

正直寂しい思いがあったのだが

これで吹き飛んだ。

 

 

 

時が過ぎ、慶應、早稲田、東大

全ての入学試験が終わった。

 

遅めの朝食を食べながら新聞を読んでいると、

「今日は東大の試験結果が出る日」

と案内されていた。

 

どきりとした。

携帯に何の連絡も入っていないからだ。

 

怪しい。

午後になっても連絡がない。

 

受かったならば、すぐさま連絡が来るだろう。

私は、彼が落ちたのだと悟った。

 

待てど暮らせど、連絡が来ない。

 

しかし私は、彼のプライドのためにも、

連絡をあえて控えた。

でも、内心気が気ではなかった。

 

 

 

1週間経ち、やっと彼からメッセージが。

慶應の経済学部に行く」

とのことだった。

 

それだけだった。

その他には何も。

 

度重なる受験で、

暫く会っていなかったのに。

 

こんなに応援してきたのだ、

受験が終わったならまた会いたい。

 

私は、彼も同じ気持ちだと思っていた。

内心彼の方からの誘いを期待していた。

 

なのに、メッセージはたったその一言だった。

 

なぜか悔しくなり、

私の方からそろそろ会おうと返信をした。

 

 

 

2時間後、返信がない。

1週間後、まだ返信がない。

 

彼からの愛情を期待して、

健気に、純粋に、

応援してきた。

 

その期待が、

最後の最後で裏切られた。

 

恋愛ドラマならここで涙が出るところだが、

なぜか涙はなく、胸の痛みだけが残った。

悔しさの一言だった。

 

そして私は、

もう無駄に彼からの愛情を期待するのをやめた。

 

 

 

5か月ほどたち、

私はもうとっくに彼への感情を忘れていた。

 

携帯が鳴り、見てみるとまさかの彼からの電話だった。

 

「長い間連絡できてなくてごめん。

大学へ入学して、色々忙しかったんだ。

今週末空いてたら遊びに行こうよ」

 

私の頭は怒りで破裂しそうだった。

 

 

あんなに健気に応援してきて

受験が終わるまでわがままも言わず

ただひたすら彼からの連絡を待っていたのだ。

 

それを、5か月もたってから連絡してきて

簡単にごめんというとは

私の気持ちがどんなに傷ついたのかわかっているのか?

 

しかも、きっと連絡してきたのは私を好きだからではない。

生活が落ち着き、大学では彼女ができず

暇で時間を持て余してしまったからだ。

 

 

 

純粋だった私は、

単なる都合のいい女枠へ入れられていたのだ。

 

怒り、屈辱、悔しさの気持ちが

私の胸を痛めつけた。

 

 

 

私はやっと気が付いた。

「バカな女だった」という事に。

 

そして私は次に決心をした。

「彼以上のレベルになり、見返してやろう」と。

 

いい女を逃したと思わせてやろうと。