港区女子とは呼ばせない。

港区に住む私の恋愛事情。「真の港区女子」の日々を描くブログです。

時代の変わり目に生まれた偽の恋心

大好きな人ができた。

彼の名前は宏人。

 


IT系の社長を務めていて、

身長が高く顔も整っている。

 


映画から出てきたかのような完璧な人。

 


彼との出会いは、

アメリカへ帰ってしまった大好きな彼を忘れられない私を見かねて親友が誘ってくれた異業種交流会。

 


交流会へ来てみたは良いものの、

どうも自分とは違うタイプの人ばかりで

ちぐはぐな感覚を覚えた。

 


もう帰ろうかと周りを見渡した時、

部屋の隅になんだか仲良くなれそうな

雰囲気の男性がいる事に気がついた。

 


その彼が、宏人さん。

自分の仕事について、

目を輝かせながら話していた。

 


ここまで志のある人間に出会うのは

アメリカの彼以来だった。

 


思い切って彼に話しかけてみると、

びっくりするほど趣味が合う。

 


ゴルフの話題になり、

今度一緒に友達を誘って行こうという話に。

 


それ以来彼とはゴルフ仲間として

仲良くしている。

 

 

 

 


内心、ここまで趣味が合っていて

少年のように目を輝かせる彼の事が

気になって仕方ない。

 


けれど、こんな完璧な人に

自分が見合う訳がないと諦めて

好きな気持ちは心にしまい込んでいる。

 

 

 

 

 


そんなこんなで、

宏人さんと出会ってから

1年半経った。

 


未だに彼の事が気になってしまって、

インスタのストーリーに絵文字で

反応が来ただけで舞い上がってしまう。

 


でも、それが恋愛に発展することはない。

 


こんな状況にずっと耐えてきたが、

流石に辛くなってきた。

 

 

 

 

 


2019年4月30日、

平成から令和へと時代が変わる瞬間を

私を例の異業種交流会へ連れて行ってくれた

親友と六本木のクラブで祝う事に。

 


時代が変わった瞬間、

ゴルフ仲間のグループラインへ

宏人さんから連絡が。

 


令和もよろしくお願いします、

というメッセージだった。

 


叶わぬ恋心を抱いたまま

時代が変わってしまった。

 


私はクラブでお酒を飲んで

やるせない気持ちを晴らそうとした。

 

 

 

 


酔いが回ってきた午前3時頃、

すらっと背の高い男性と

良い雰囲気に。

 


彼は顔もよく、

少し影がある感じの色気があった。

 


少し彼の事が気になったので

名前を聞いてみた。

 


あろうことか、

彼の名前も宏人だった。

 


背丈も同じくらい。

 


デジャヴだ。

 

 

 

 


色々と彼の事を聞いてみると、

まさかの異業種交流会で出会った宏人と

出身が名古屋だという点までも

共通していた。

 


クラブで出会った男なんぞには

基本的に興味を持たない私だが、

これは話が違った。

 


目の前の宏人に、

その場には居ない宏人を

投影してしまった。

 


今目の前にいる宏人と手を繋ぎ

彼の得意なロシア語を聞いて

一緒に歌って。

 


どうしても手に入らないものが

手に入ったかのような感覚。

 


錯覚を起こしてしまって

彼と同じベッドで寝てしまって。

 

 

 

 

 


午前11時、

酔いも覚めて

そろそろ帰ろうと話した。

 


彼はタバコを吸いながら

手を振って帰って行った。

 

 

 

 

 


家に着き、

シャワーを浴びて

惨めな気持ちに襲われた。

 


一緒に寝た宏人は

名前も出身も宏人さんと一緒だが、

底抜けに明るい目の輝きは無い。

 


彼は、どことなく心に影がある

ロシア語を話すスモーカー。

 


きっと、暗い自分の心が

彼のような人を引き寄せたんだろう。

 

 

 

 

 


結局、

私が本当に欲しいものは何も

手に入っていなかった。

 


ただ、1つ学んだ事がある。

不安定な精神状態の時に

男性を選ぶべきではない。

 


自分の心を投影したような

相手を引き寄せてしまうから。