港区女子とは呼ばせない。

港区に住む私の恋愛事情。「真の港区女子」の日々を描くブログです。

外見より中身…? - "いい子"からの卒業

人は見た目で判断するな、中身を見なさい。

という事は、この文明社会の中で、

私達の脳に半強制的にインプットされている。

 

恋愛も例外ではない。

中身で判断する子=いい子

この方程式がある。

 

ではなぜ、大抵イケメンの彼女は美人、

美人の彼氏はイケメンなのだろうか?

 

男性の場合、外見はそこそこでも

お金と地位があれば、

美人の彼女をゲットできている。

 

私達は果たして、

社会的ルールに従って、

"いい子"でいなければいけないのか?

 

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中学の時、

私を見捨てたデートの相手を見返そうと、

慶應へ行こうと心に決めた。

 

そして晴れて、

慶應義塾大学法学部政治学科へ入学。

 

経済学部へ行った彼より、

偏差値の高い学科に受かった事で

私の復讐心はある程度満たされた。

 

 

 

大学生活の初日、

キャンパスへ赴くと、サークルの勧誘で

校内はてんやわんやの大騒ぎ。

 

元々音楽好きの私は、

とあるバンドサークルに入る事に。

 

ギターをかじっていた私は、

大学でもギターを担当。

 

 

 

サークル生活が始まり1ヶ月ほど経った頃、

群を抜いてギターが上手く、

頭脳も明晰な先輩が現れた。

 

この人は物事の捉え方が人とは違っていて、

他のサークルメンバーとは

一線を画す何かがあった。

 

他とは違う輝きを持った彼に、

私は一瞬で興味を持った。

 

 

 

新生活とともにもたらされたこのチャンスを、

逃すわけにはいくまい。

 

そう思い、私はネットで

ありとあらゆる恋愛テクニックを探した。

 

あるブログから、どうも男性というのは

女性に何かを教えるのが好きらしい、

という事を学んだ。

 

 

これは使える。

なにせ、彼の方がギターが上手く

頭脳明晰なのだ。

 

簡単な話だ。

 

 

 

早速サークルメンバーで集まっているときに、

サラッと彼の隣に腰を下ろした。

 

さあ、ネットで得た武器を思う存分使う時だ。

 

「毎日、どんな練習をしてるんですか?

上手すぎて、音が生きてるみたいで。

私が弾く時とはまるで音が違います、、」

 

なんて、ちょいっと上目遣いでおだてつつ、

教えをこうように話しかけた。

 

 

まあこれがびっくりするほど効果てきめん。

彼は喜んで指のトレーニング方法等について

凄い勢いで語り始めた。

 

正直細かいギターの知識はどうでも良かった。

しかし、私の狙いはそこではない。

目標達成のための辛抱だ。

 

 

ここからはドミノ倒しよろしく、

順序正しく早急に事が進んだ。

早速デートの誘いを受けたのだ。

 

 

 

初回のデートは、キャンパス付近の

こじんまりとしたイタリアンだった。

 

食事中、私はこれでもかというほど

彼の能力を褒め、話をとことん聞いた。

 

まるで馬鹿の一つ覚えだが、

魔術の如く彼の意思を操る事ができたのだ。

 

 

 

食事が終わると、

なんだか彼がそわそわしている。

 

私はもうこの時点で、

自分の勝利を確信していた。

 

 

「あの、、まだ出会って間もないのは

分かってるんだけど、、

好きになっちゃってね、

付き合ってもらえると嬉しいんだけど、、」

 

 

とてつもなく謙虚な告白だ。

目標を達成した事に小躍りし、

その場ですぐOKの返事をした。

 

 

 

彼は大学へ一度戻るとの事で、

私は一人で帰路に着いた。

 

夜道を一人で歩き始めると、

脳裏に妙な影がさした。

よく分からない不安感に襲われた。

 

 

 

大学から自宅までは電車で30分程度、

その間車内の椅子に腰を下ろし、

この変な感覚の原因を考えた。

 

すぐさま、彼と付き合うという事実に

違和感がある事に気がついた。

 

 

 

その理由は至って簡単だった。

今まで目標達成に必死で気がつかなかったが、

彼の外見が全く好みではなかったのだ。

 

頭が大きめで、ぽっちゃり体型。

顔も整っておらず、変に目が小さい。

とにかくイケていない。

 

 

 

しかし、"いい子"の方程式によると、

私は正しい判断をした事になる。

彼の中身で判断したのだから。

 

そういって不安な気持ちを抑え、

自分の事を褒めてやった。

 

 

 

彼とは数回デートを重ねていった。

ある時新宿で夕食をともにする事に。

 

場所柄もあるだろう、夕食後、

世のカップルの一大イベント、

初の情事へ至った。

 

 

 

私にとってはこれが人生初。

大人の階段を上る気分で、

少しくすんだ期待感と嬉しさを覚えた。

 

 

 

一通り終了し、結論は一言。

気持ち悪かった。

 

 

 

初めての情事だからと言うものではない。

そもそも彼に、性的な魅力を一切感じた事が無いのだ。

 

それ以来彼を生理的にに受け付けなくなった。

破局の訪れである。

 

 

 

結局"いい子"の方程式は、

偽善的な大人達の言い訳に過ぎなかった。

 

 

 

人間には、子孫を残すための本能がある。

その本能が、直感的に遺伝子が優れ、

生存能力の高い相手を選び出す。

 

つまり、外見的な魅力も伴わなければ、

本能がその相手を選ばないのである。

 

悲しい事実だが、

恋愛相手は中身だけで選べるものでは無い。

 

 

 

この事に気が付いた時、

"いい女の子"からの卒業を決めた。

 

自分に正直である方が、

社会的に決められたルールに従うより

幸せになれると思ったから。

 

いい子と思われたところで、

何の得にもならないのだ。